高校生最後のインターハイが、佐賀県で行われました。この試合は、今までの水泳人生の中で 1 番苦しい思いをした試合であり、1 番仲間の応援に勇気付けられた試合だったように思います。私は、去年に引き続き、個人種目では 200m 個人メドレーと 400m 個人メドレーに、リレー種目では、4× 100m フリーリレーと 4 × 100m メドレーリレー、4 × 200m フリーリレーに出場することができました。予選会である都高校と関東大会には、遠征やパリオリンピックと日程が重なっていたため、リレー種目はチームメイトのおかげで、去年に引き続き出場することができました。今大会の目標は、個人種目で大会新記録を更新し、2 冠すること、そしてリレー種目では去年果たすことのできなかった決勝進出を達成することでした。今年の会場は SAGA アクアという新しいプールでした。今年も去年と同様、沢山のボランティアの方たちが明るく迎えてくださり、この広くて青いプールで泳げることがとても嬉しく、楽しみでした。1 日目は、200m 個人メドレーと 4 × 100m フリーリレーに出場しました。最初の種目は 200m 個人メドレーでした。招集所で前の組のレースを見ていると、やはり各校の応援がすごく、会場が盛り上がっていることがわかりました。私は、予選から良い泳ぎをして決勝につなげようと考えていました。しかし、予選でスタート台に立った時に、今まで感じたことのない気持ちになりました。「この雰囲気の中で泳ぐのが怖い。」そんな不安な気持ちに、私の心の中が支配されたような感覚でした。その気持ちのままスタートし、レースが終わりました。結果は 2 位で決勝進出でした。「エントリーは 1 位なのに、2 位通過だ…」そんな気持ちがふと頭をよぎりました。しかし、フリーリレーがそのあとに控えていたので、まずはフリーリレーに集中することにしました。フリーリレーは、4 人全員が、決勝で泳ぎたいという気持ちを持っていました。リレーメンバーは、私以外の 3私は全国高等学校柔道選手権大会や全国高等学校総合体育大会を通して、はじめの選手権大会では挑戦者としての立場で精神的負担もなく、普段の試合とは全く違う空気のなか、とても良い精神状態で戦うことができ、1回戦目から好調で自分の得意の形に持ち込むことが出来ました。準決勝では自分のギアを上げることができ、そのまま決勝に挑むことができました。しかし、インターハイでは選手権大会で優勝した事で、関係者の皆様の期待を感じており、自分が追われる立場になったことで精神的負担が掛かっていました。そんな精神状態で開始した 1 回戦目は、緊張して身体が全く動かず、いい試合が出来ませんでした。3 回戦目にも緊張で身体が動かず、抑え込まれ GS まで突入しました。その際に、監督からの掛け声で気持ちが切り替えることができたことを今でも覚えています。私は今回、インターハイに出場することができましたが、高校2年生のときは今まで勝っていた相手に負けインターハイへの出場が叶わず、その間にもライバル達が結果を残していき、強化選手となっていました。その悔しさや辛さを日々の練習にぶつけ、来年のインターハイは自分が優勝することだけを考え、今自分はなにが足りていないのか弱点なのかをよく考え、弱点を無くす練習を沢山しました。緊張やプレッシャーは自分に不満があるからするものだと僕は思っていて、それを無くすことで試合の際に緊張して身体が動かないことをないようにする為にあらゆる場面での対応ができる練習を特に力を注いで練習しました。例えば、技ありを取られている状態のラスト 1 分をどう使うか、得意の寝技が使えない相手にどう勝つかなど、不利な状況を想定して勝ちにこだわることを意識しました。選手権大会では 6 試合中、5 試合を寝技で勝利することができました。得意技だったので、インターハイでは研究されても寝技を使えるように技のレパートリーを増やし対応しにくい練習をしました。逆に立ち技を他の選手たちは狙ってくると思ったので、投げ技のキレや崩しのタイミングなど様々なことを研究し取り入れました。こうして、僕が勝つことが出来たのは僕に合う練習方法を考えてくださる監督やコーチのおかげであり、それに付き合ってくれるチームメイトでもあります。また日々の私生活を支えてくださる学校の先生方や両親、保護者の方々です。試合ができるということは大会を運営してくださっている関係者の皆様など各方面からの支えのおかげです。支えてくださっている方々に「良かった」と言ってもらえるような選手になれるように精進していきたいです。これからもまだまだ大会はあり、高校の試合で満足するのではなく、ジュニア、シニアでも活躍できるように、毎日の積み重ねで努力を忘れず、将来の夢であるオリンピック優勝に向け頑張っていきたいと思います。- 158 -水泳個人メドレー『応援が 引き出す力と 真の「勝負」』柔道男子 個人 73 kg 級『努力と感謝』淑徳巣鴨高等学校 成田 実生足立学園高等学校 荒川 琉正
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