平成21年度東京都高等学校総合体育大会開会式挨拶

都庁第一庁舎大会議場

本日、ここに、平成21年度 東京都高等学校 総合体育大会の開会式を挙行いたしましたところ、東京都教育委員会より教育庁指導部高等学校教育指導課長、宮本久也様、はじめ多くの関係の皆様のご臨席を賜り、誠にありがとうございます。高いところからではございますが、厚く御礼申し上げます。

さて、今年は、会場を大会議場に移して3回目の開会式となります。
かつては駒沢競技場で大規模に行っておりましたが、生徒並びに役員の先生方の負担を軽減ながらも、試合開催に先立って行う実質的な「開会式」は、きちんと行おう、との考えから、長い間、検討を重ねた結果の方式であり、室内開催という方式も今年で5回目となりました。他県では、陸上競技場を使って大々的に開会式を実施しているところもあり、それに比べると少々物足りなさがあるかもしれませんが、趣旨をご理解いただければと思います。

さて、選手の皆さん
まもなく競技が開始されますが、この大会は、多くの種目が全国高校総体の予選を兼ねて行われます。皆さんも東京都代表を目指し、勝利を目標に試合に臨むことと思います。
しかし、「勝つことは大きな目標ではありますが、目的とは少し違うのではないか」と私は考えています。
この大会は、高等学校の部活動として、皆さんが日頃行っているそれぞれの種目の、活動の成果を発表する場です。もちろん、結果としての勝利には、胸をはってください。
でも、成果とは、試合での勝敗だけではないはずです。勝利を目指す汗と涙のプロセスの中にこそ、勝利以上に大切なものを、みなさんも見つけているはずです。
それが、学校というトレーニングの場で、あなたたちが行っている、結果だけがすべてではないエデュケーションスポーツなのだと思います。
そして、あなたたちだけでなく、トップアスリートといわれる人たちも、結果としての勝利と同じくらいに、プロセスから得るもの、自分の人間性を高めてくれるプロセスそのものを大切にしています。
昨年10月に引退を表明し、3月の名古屋国際女子マラソンに一般参加して、これを「ラストラン」とした、シドニーオリンピック女子マラソン金メダリスト、Qちゃんこと 高橋尚子さんが、金メダルを取った翌年、世界新記録を目指して臨んだベルリンマラソンのスタート前に残している言葉は、
今まで どれだけ 走ってきたか 残すはたった42キロ」です。

万端の準備をし、全力でプレーしたその向こう側には、勝敗を超えたアスリートとしての感動や充実感・成就感があり、それが見る人にも大きな感動を与えるのだということを忘れないでほしいと思います。

「人生は情熱を演じる劇場である。」 これは、石原慎太郎都知事の信条であるということを何かで聞いたことがあるのですが、みなさんにも、コートやトラック・フィールドなどそれぞれの試合会場で、情熱や夢中の証として最高のパフォーマンスを演じてもらいたいと思います。
そして皆さんには、スポーツを通して、互いの友情や絆、信頼を育むとともに、スポーツで培ったフェアプレーの精神を、これからの長い人生に生かし、社会に貢献できる人材として、高等学校を巣立っていってほしいと、願ってやみません。

むすびになりますが、本大会の開催に御尽力いただきました東京都教育委員会、並びに、日頃から、生徒の指導や、大会運営にご尽力をいただいております顧問や各専門部役員の先生方はじめ、関係の皆様に感謝申し上げ、挨拶とします。

平成21年4月18日

東京都高等学校体育連盟会長  中川 惠