全国高等学校体育大会東京都選手団結団式挨拶

まずはじめに、平成21年度 全国高等学校総合体育大会「2009近畿 まほろば総体」への出場決定、おめでとうございます。
東京都の、また、種目によっては関東ブロックの厳しい予選を勝ち抜いて、見事、代表の座を獲得した615名の皆さんの、これまでの努力を讃えるとともに、日頃御指導いただいている各学校の顧問の先生方に感謝申し上げます。

本日、インターハイでの選手諸君の活躍を願って、結団式を行いましたところ、東京都教育委員会の 高野 敬三(たかの けいぞう)指導部長 をはじめ、多くの先生方にご出席を賜り、心から感謝申し上げます。

さて選手の皆さん、開催地、主会場となる奈良県では、「君が今 歴史の新たなページを創る」をスローガンに掲げ、何年も前から準備をして、皆さんの活躍の舞台を整え、待ってくれています。
このような晴れ舞台は、生涯そう多くはありませんし、誰にでも味わえるものでもありません。苦しいこともあると思いますが、このすばらしい体験ができることを素直に感謝するとともに、東京都の代表としてのプライドを胸に、日頃鍛えた「力」と「技」と、そして「心」を遺憾なく発揮し、正々堂々はつらつとプレーされることを願っています。

今回、皆さんは、東京代表として「まほろばの地」へ向かいます。しかし、インターハイは、全国の高校生アスリートの精鋭が集います。それだけに、どの競技もハイレベルな戦いになるだろうと思います。苦しい場面もあるでしょう。そんな時、思い出してほしいことを、今日は話しておきたいと思います。
それは、『疾風に勁草を知る』という言葉です。
この言葉は、『後漢書』という古代中国の書物に載っている後漢の光武帝の言葉です。
後漢の光武帝が、初めて兵を挙げたとき、帝に従がっていた者は、敗色が濃厚になるにつれ、一人抜け二人抜けと減り、最後まで光武帝を助けて戦ったのは、王覇(おうは)だけになったという話から、「困難や試練に遭遇して初めて、その人の意志や強さがわかる」というたとえに使われます。
『勁草』の『勁』という字は、『地中深く、はられた根』という意味で、地中深く根をはった草は、どんなに強い風が吹いても倒れず、倒れたように見えても、また起き上がるのです。その『根』は、まさに皆さんが日頃鍛えてきた「力」と「技」と、そして「心」だと思います。試合の場で苦しくなった『疾風』のときこそ、この言葉を思い出してください。

そしてまた、総体は、皆さんと同じようにスポーツに親しむ多くの仲間や、心を尽くして皆さんを迎えてくれる地元の高校生との出会いがあります。大会を通して、新たな友情が芽生えれば、インターハイは更に素晴らしいものになると思います。
選手の皆さんには、競技を通して、友情の輪を広げるとともに、もう一歩進めて、スポーツ活動を通して学び、培った、単に勝ち負けだけではない、物事に取り組む姿勢・意欲・頑張る心など精神的な面での成長という大きな成果を将来に生かし、社会に貢献できる人材に育っていってくれることを期待したいと思います。

ところで、「まほろば」ってどういう意味だか知っていますか?
「まほろば」とは、「素晴らしい場所」「美しい場所」という意味だそうです。

「2009近畿 まほろば総体」が、皆さんにとって、生涯のよい思い出になることを、心から願うとともに、「まほろばの地」での、みなさんの最高のパフォーマンスを期待したいと思います。『疾風に勁草を知る』を頭と心にしっかり刻み込んでください。

最後になりますが、選手の派遣にあたり、東京都教育委員会からいただきました御支援と、各学校の顧問・監督の先生方の日ごろの御指導に、改めて感謝申し上げ、挨拶といたします。
皆さん、東京都代表の誇りを胸に、頑張りましょう。

平成21年7月11日

東京都高等学校体育連盟会長  中川 惠